2013年6月16日日曜日

佐藤さんの和紙

 

 愛知県で紙漉きをされてる佐藤友康さんの工房を訪ねました。
佐藤さんの和紙は、なにかこう寄せつけないほどの静かなかんじで、でも一度紙を触ると柔らかくて、穏やかで、なめらかで、ずっと触っていたくなるようなとても気持ちが良くなる和紙だと私は感じています。
 
紙漉きをされて40年、ほとんどの紙漉きの方が機械を使う工程でも佐藤さんは全て手作業という、とても時間のかかる昔からのやり方で紙漉きをされ、1000年先にも残る和紙づくりをされておられます。その和紙は販売はされていませんが、修復の紙に使われたり、国体の表彰状を漉かれたり、作品を作られる方に送られたり、佐藤さんの和紙は本当に必要とされる場所で使われています。
 
本気で和紙と向き合われてる佐藤さんがボソッと「わら半紙好きです」と言われました。パルプ入りの紙、加工された紙でもそれぞれにきちんと用途があるので、それはそれでいい紙ですと言われ、その途端、私はさらに佐藤さんが大好きになってしまいました。
本当に「紙」がお好きなのだなと感じた瞬間です。
 
工房では佐藤さんの漉かれた沢山の和紙、漉き場、和紙を使ったいろんな方の作品、佐藤さんが集めておられる骨董品、民芸のものなどを惜しみなく見せて頂き、もう楽しくて楽しくて時間はあっという間に過ぎました。中でも20年前から続けていらっしゃる佐藤さんの和紙だけを綴じた見本帳は圧巻でした。
 
写真を撮ってもいいですよと言われたのに、カメラで撮ってる時間よりも紙に触りたい、見たい気持ちのほうが強く、一枚も写真を撮ることなく工房を後にしてしまいました、、
 
以下の写真は佐藤さんに頂いたなんだか面白い表情をした和紙です。
紙が好きな方に漉いてもらった紙はどんなに綺麗なんだろうかと惚れ惚れしながら毎日見てしまいます。尊敬します。
 
 
和紙の原料
 
落水紙
 
 
  
針金に和紙の繊維が付いています、夕方になると影が壁に移りとても美しいです




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